道具へのこだわりが繊細な技を生み、
使い込むほどその手に馴染み、
使い手と一体化する
情緒あふれる石塔を生み出す秘密は、職人の技に加え、使用する「道具」にあります。 例えば、セットウとノミの接触部分に微妙な「焼き」を入れますが、「焼き」をいれることで硬度が増し、ノミやコヤスケもより効力を向上させ、職人が理想とする「削り」を実現させます。 過剰な「焼き」は、割れやすくなり、道具の寿命を縮めるため、経験に基づく適度な加減が要求されます。 ノミは通常「荒ハズリ」、「中ハズリ」、「仕上げノミ」と呼ばれる3本を使用します。 個々の職人にマッチするものを選択し、「太さ」や「長さ」などにおいても特注品を使用します。 さらに、ノミの頭に焼きを入れることで適度な硬度調節も必要とされます。両刃とは、小叩き仕上げに使用するもので、幅4~5mmのカミソリの刃のように砥いだ刃が両端に付いた道具です。 こまめに刃先を砥ぎ、叩きの目が均一に深く刻めるようにします。
熟練の技により生み出される石の美。
古来より伝わる技を受け継ぎ、手仕事にこだわる。
石の表面に細かな凹凸をつける技法「ビシャン仕上げ」は、石が持つ本来の趣を表現できます。そしてそれをさらに洗練されたものにする技法が「小叩き仕上げ」です。 ビシャンで仕上げた後、両刃という道具を使い、美しい線状のタタキ目をつけるこの小叩き仕上げは、熟練した石工でなければ難しいといわれ、この技法を習得し、美しい完成品を生み出せることが「匠の証」なのです。 その技法の魅力を最も引き出すお石塔のひとつが「五輪塔」です。 五輪塔は地・水・火・風・空の五大を現したお石塔ですが、曲線も多く、垂直かつ均等に叩くため、非常に難易度が高いといわれています。 磨き仕上げと比較しても、より石の表面は白さを増し、白御影石の場合はより「白の美」が協調されます。 機械化がどれほど進み、制度が向上したとしても、長年の経験と確かな腕を持つ石工職人の手仕事を凌駕することは難しいでしょう。
職人の道具へのこだわり
例えばセット(石屋が使うトンカチの事)ですが当たる部分に微妙に焼きを入れます、なぜか?焼きを入れると硬くなるのでノミもコヤスケも効くようになり自分の思うように削れるようになります。ですが反対に焼きを入れ過ぎると割れやすくなり割れた破片が身体に刺さる事もあり非常に危険です。
セットの肢にもこだわっています、通常、牛殺しと言う細い木を使います、山から切り出して乾くまでしばらく寝かせておきます、肢の太さや曲がりを見て握りやすく加工して使用します。
両刃とは、小叩き仕上げに使用する道具です、小叩きとは、丁寧にビシャンをかけた上に幅4〜5センチのカミソリの刃のように砥いだ刃が両端に付いた道具です。仕上げに使う道具なので凄く大事に使用します。こまめに刃先を砥いで切れる様にして叩きの目が均一に深く刻める様にします。
小叩きは呼吸が乱れ、集中力が途切れると、叩きが乱れてやり直さなくてはなりません。熟練した者でも上手に叩ける人はそう多くはいません。
ノミ切り仕上げとは
古くから、お石塔、灯籠などの石の表面の仕上げに用いられたノミ切り仕上げ、熟練した職人でも味わいのあるノミ切り仕上げは難しいと言われる、加工職人の中でも誰もが出来る訳ではなく難しい仕上げのひとつです。
ノミ1本とセットウだけを使い仕上げていくノミ切り仕上げ
ノミですが、通常、荒ハズリ、中ハズリ、仕上げノミの3本使います。
ノミも自分にあった物を選び、太さや長さなど特注で作って貰ったりもします、ノミの先に焼きを入れ、焼き入れのぐわいで硬さを調整したりもします。
職人はノミ一本の太さや長さにこだわり、セットウの重さ握りの柄の形太さにもこだわる、そこまで身体に馴染んだ道具でないと自分の思うようなノミ切りの仕上がりにならないとこだわり続ける。
ビシャンとコタタキ 熟練の技が生む石の美
「小叩き(コタタキ)」という言葉を聞いたことはありますか?小叩き仕上げは手作業で行う石材加工の中で最も手間がかかるといわれているものです。石材の表面をビシャンという道具でこつこつと叩(たた)いた後、さらにタタキ(両刃)という道具を使って非常に細かな線の刻み目を付ける仕上げです。
石本来の趣を表現
ビシャンという道具は、肉たたきのようにトンカチの先にいくつもの突起があるもので、それで叩くと、石の表面に細かなデコボコがつきます。
それは石が持つ本来の趣を表現できます。そして、ビシャン仕上げをさらに洗練されたものにするのが小叩き仕上げになります。
ビシャンで仕上げた後、タタキ(両刃)という道具を使い、きれいな線状のタタキ目をつけるこの仕上げは、熟練した石工でなければ難しいといわれています。これが上手にできるのが匠の証ともいわれ、タタキは、トンカチの先端がノミのように直線状に尖(とが)った道具で、石の面に真上から垂直に叩きます。手元が狂って斜めに打ち付けてしまうと、表面がえぐれてしまうので、かなり神経を使うそうです。
小叩き仕上げが似合う五輪塔
小叩き仕上げが似合うもののひとつが五輪塔です。五輪塔は地・水・火・風・空の五大を表した墓石ですが、曲線も多いため、垂直かつ均等にタタキで叩くのは非常に難易度が高いのです。小叩き仕上げにすると、磨き仕上げよりも石の表面は白っぽくなるため、白御影石の場合はより白くなります。墓地を見学してひと際白さが引き立つ墓石があれば、小叩き仕上げになっている可能性がありますのでチェックしてみてください。
機械によるタタキ仕上げもありますが、曲面が叩けなかったり、端に叩き残しがあったりするため、なかなかうまくいかないことも多いようです。機械化がどれほど進み、精度が向上していったとしても、やはり長年の経験と確かな腕を持つ石工職人の手仕事を凌駕(りょうが)することは難しいのでしょう。
小叩き仕上げとは
小叩き仕上げとは、丁寧に細いビシャンをかけた上に両刃という小叩き仕上げに使用する専用の道具です。幅4〜5センチのカミソリの刃のように砥いだ刃が両端に付いた道具です。
鉄に焼を入れ両側をカミソリの刃のように研いだ専門の道具を使い、細かな線を石に刻む仕上げです、熟練した職人がひと目ひと目を丁寧に刻んで行く根気と集中力が要る仕上げです。
両刃は、仕上げに使う道具なので凄く大事に使用します。人に貸したり借りたりもしません。石の硬さに合わせ、こまめに刃先を砥いで切れる様にして叩きの目が均一に深く刻める様にします。
仕上げの中でもかなり難しい仕上げで熟練した職人の中でも、小叩きが上手い職人さんは日本に数人しかいないと思います。
小叩きをする前には必ずビシャンがけをしますが、丁寧にビシャンかけをして下地を作ります、この下地が悪いと小叩きが綺麗に仕上がりません。
また、小叩きは呼吸が乱れ集中力が途切れると叩き目が乱れてしまいやり直さなくてはなりません。熟練した者でも上手に叩ける人はそう多くはいません。小叩き仕上げは綺麗に叩く事により石の下地が締まり石本来の白く美しい色が際立ちます。
真壁石燈篭の歴史
石材工芸の歴史は、室町初期に遡ります。江戸時代に入ると、「石屋某いしやぼう」という記録が多数残っており、石材業、石工の経済活動が活発に行われいたことを物語っています。江戸時代中期の宝永前後から、常夜燈として真壁石燈籠が地域の神社に奉納されており、素朴で重量感に満ちた原型ができ上がっています。
その後、当時石材工芸の先進地であった信州高遠の石工との交流が行われ、技術的、形態的に影響を受けています。
江戸時代末期、久保田吉兵衛による下宿密弘寺の常夜燈はその流れを物語っています。
吉兵衛の出現を機に子弟相伝による石工の後継者作りが始められ、「真壁石燈籠の伝統技法」として定着しました。
明治にはいると吉兵衛に始まる石工棟梁久保田家の高弟の中から稲葉丑三郎(いなばうしさぶろう)稲田亀吉(いなだかめきち)等の名工を輩出しました。厳しい子弟相伝の伝統技法は現在の石工たちにも受け継がれ、このたびの伝統的工芸品指定に結びつきました。
真壁石
常陸三山の懐に眠る硬質で堅牢な石、それが真壁石です。 日本の代表的な御影石としてその歴史は古く、鎌倉時代より古碑、五輪塔、仏石などに用いられ、江戸期には多くの専門的石工が輩出しました。 そして現代へとその伝統は受け継がれ、「真壁石燈籠」は国の伝統的工芸品にも指定されています。 格調の高さとやすらぎのある美しさゆえに、墓石の生産量日本一を誇る銘石として知られています。